Tシャツのウエイト (オンス) が違う理由
基本的には糸番手が同じなら、商品目付(m2目付け、単位はグラム)はほぼ同じ。
誤差は10g程度で、染色(染料)によっても目付け(m2)は変化します。
色が薄い染料は軽く、濃い色は重くなります。
現在では紡績機の技術が上がり、糸(原糸)の量が少なくても丈夫で艶やかな糸の加工が可能になっています。
故に、コストが安く上質の綿に似た風合いの商品が店頭に並んでおりますが、家庭での洗濯を繰り返すうちに糸の依りが崩れ、品質の劣化が激しいのも否めません。
そもそも上質の綿とは?
1.繊維の長さ
上質の綿糸とされる条件は、糸の毛足(繊維)が長い物が上げられます。超長綿ともよばれ、収穫が可能な産地も限定されます。
2.糸の撚り
糸の撚りも、紡績機によって異なりがあります。生地の風合いにも影響する工程で、より丈夫で肌触りの良い風合いが好まれます。
3.編み立て
糸を編む工程も生地の風合いに影響します。糸を詰めて編み立てしたり、逆に糸に隙間をもたせて編む事も可能です。
生地の価格には、繊維その物のコストが高い場合と、拠りや編み立てに時間がかかるもの、加工が加わる物があります。最も良い生地は、糸の毛足が長く、撚りもしっかりした技術が使われ、丁寧に編み立てられた生地となります。
同じ糸番手でもウエイトが違う理由
同じ糸番手でもウエイトが違うのは、糸の撚り、編み立ての工程が影響します。
糸の撚りを強く撚った場合、糸は細く丈夫な芯の強い糸になります。実際に糸をねじって見てください。糸が詰まって硬く丈夫になりませんか?
編み立て、生地を詰めて編み立てればそれだけ面積を埋めるのに多くの綿糸が必要となります。従ってgms目付け(平米目付け)は重くなります。
糸の撚りと詰まり メリットとデメリット
強い撚りと編み立てにより、同じ糸番手でも目付けが重くなり、薄くてもしっかりとした生地に加工が可能です。
しかしふんわりとした軽い風合いは失われます。生産コストは糸を多く使用している分高くなりますが、細い糸でもしっかりとした生地で耐久性に優れ長持ちして洗濯時にも型崩れが少ない。また双糸と呼ばれる撚りは二本の糸を一本に撚る方法でさらに、耐久と型崩れを防ぐ事が可能です。
基本的に単糸と双糸では、双糸の方が上質とされコストも高くなります。
糸に隙間をもたせた撚りと編み立ては、軽い風合いの生地になります。例えるならガーゼ素材がその例となります。生地に隙間がある事で、水分の吸収に優れ生地の乾燥も早くなります。ただし耐久は低く単糸の糸では特に斜行(生地が斜めに曲がる)が強く品質の厳しい業界では不良品として扱われる事もあります。
そのため斜行しない様に、生地に洗い加工を加える方法もあります。
同じ糸番手でも、どの様な糸の性質なのかの理解も深めましょう。
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