服の生産価格を理解し余分な経費を削減する
アパレル関係の起業をお考えの方は、服の生産コスト(原価)は気になる処ではないでしょうか?
服の原価は、生産国、生地、デザインによって様々ですが、基準として簡単なカットソー。Tシャツ スウェット パーカー などの価格を知っておけば、工場に見積もりを依頼する際に、その工場の生産価格が高いのか?安いのか?の基準になると思います。
また、工場の原価はあくまでFOB(簡単に言うと工場の生産コスト)となりますので、工場原価と日本到着価格の2種類を記載します。
Tシャツの原価
Tシャツの原価を一括りにすると、生地の番手によって大きくコストが変わってしまいますので、一般的に生産量の多い、
- 5.6ozのメンズ Lサイズ
- プリントが1色 前身頃
- ボディーカラー1色
- 織りネーム 品質表示ラベル OPP 袋込み
- 100枚生産した場合
の原価とします。
中国でのTシャツ原価
中国での生産は、関税がかかります。衣料品の関税は約14%を基本とします。その他には消費税6.30% 、 地方消費税17/63が必要です。
また、当コンテンツでの生産コストは管理人が確実に生産が可能なコストを記載しています。
中国生産 Tシャツの原価
100枚生産 Tシャツ 3.80USD/1pcs
日本到着価格
{3.80USD×為替(110円計算)×1.14(関税)×1.10(消費税)}+1.00USD(運送費)=635円
バングラデシュでのTシャツ原価
バングラデシュの生産は、関税がかかりません。しかしながら遠地の為に送料が中国より高くなりす。また生産の時間も中国より長く1ヶ月以上は必要です。
バングラデシュ Tシャツの原価
100枚生産 Tシャツ 2.80USD/1pcs
日本到着価格
{2.80USD×為替(110円計算)×*1.10(消費税)}+1.80USD(運送費)=535円
その他アジアの原価
タイ バンコク ミャンマー ベトナム 韓国などアパレルの生産国は他にも沢山ございます。
各国の生産コストは其々違いがございますが、概ね下記のような価格になります。
その他アジア生産 Tシャツの原価
100枚生産 Tシャツ 4.50USD/1pcs
日本到着価格
{4.50USD×為替(110円計算)×1.14(関税)×1.10(消費税)}+1.50USD(運送費)=785円
生産コストは、国だけではなく生産工場や貿易公司などによって変動しますので、参考までにお考え下さい。
ユニクロ GAP などのコスト (原価)は?
アパレル起業を目指す方には気になる大手の商品原価
服のコストの半分以上を占めるのが、生地コストです。
即ち、コストの大半を占める生地をうまく手配することで、服のコストを大きく節約することが可能です。
衣料品 原価の割合
海外生産の衣料品コストは大雑把に以下の通り
生地 6割 (生地のクォリティーによる)
縫製 加工 2割 (生地ロス 刺繍 プリントなどを含む)
資材(ラベル パッケージ ダンボールなど) 0.5割
デリバリー 1.5割
上記を見ての通り、コストの割合の多くは生地価格になります。
生地の価格には、糸を縒る工程、編み立ての工程などを含むため、生地は衣料品の生産において
大きなコストの割合を占める結果となり、この生地手配のコントロールが衣料品において生産原価を抑えるお大きな役割を果たします。
ユニクロの無地Tシャツの原価は、20万枚ほどのオーダーミニマムと考え他場合、中国生産でおよそ1.30~1.60USD/1pcs程だと考えられます。
国内生産のTシャツ
- 5.6ozのメンズ Lサイズ
- プリントが1色 前身頃
- ボディーカラー1色
- 織りネーム 品質表示ラベル OPP 袋込み
- 100枚生産した場合
国内で上記の生産をした場合、私の経験では1枚 1400円ほどになると想像できます。むしろこの価格で生産できれば十分お安いと思います。
現状、日本でカットソーを生産するメリットはほぼありません。
日本製だと生地のクォリティーが良いなどの錯覚でマーケティングをするのも1つですが、日本での生産は全ての工程においてコストが高い。
現在の日本での生産は、ほぼ2次加工された商品です。
2次加工とは、無地のカットソーにプリントや付属、ラベルなどを変更して販売する方法で、有名ブランドでもこの方法を使っています。
2次加工の技術の進歩と無地商品のバリエーションが増えた事によって、国内生産は2次加工へのマーケット需要が大きくなりました。
服の生産価格を理解し余分な経費を削減する事は、自社の収益の為にも把握しておく事が必要です。
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